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サステナビリティ方針

基本的な考え方

帝通グループは、社会的責任を果たし、事業の持続可能な成長を目指すために従来の「CSR基本方針」を「サステナビリティ方針」へと昇華させ、地球環境に対する負荷の最小化、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。

基本方針

  1. 帝通グループは企業理念に基づいて豊かな社会の実現に貢献し、持続可能な社会実現の一翼を担います。
  2. 帝通グループは人権を尊重し、性別、年齢、国籍、人種、民族、信条、宗教、社会的身分、障害等に基づく差別を行いません。
  3. 帝通グループは職場の衛生と安全の問題を解決することに努めるとともに従業員の教育を実施していきます。
  4. 帝通グループは環境保全の重要性を認識し、“Human Oriented Technology”―人と地球にやさしい技術・人間性を指向した技術―の観点から、地球にやさしい製品作りを目指し、お客様にご満足していただける企業活動と環境の保全との調和に努めます。
  5. 帝通グループは健全な企業活動を継続していくために法の遵守はもとより企業を構成する従業員一人ひとりの倫理観の醸成、管理体制の整備に努めます。
  6. 帝通グループは業務上保有する情報を重要な資産と位置づけ、改ざん、破壊、漏えい等から保護、管理するための様々な施策を講じます。
  7. 帝通グループは国際社会・地域社会の発展に貢献できる活動を自主的に行うよう努めます。

基本方針に基づく取組項目とそのガイドライン

当社は、次の7つの項目について考え方をまとめました。

  1. 持続可能な社会の実現に向けた考え方
  2. 人権・労働に関する考え方
  3. 安全衛生に関する考え方
  4. 環境保全に関する考え方
  5. 公正取引・倫理に関する考え方
  6. 情報セキュリティーに関する考え方
  7. 社会貢献に関する考え方

取組項目とガイドライン(790KB)

行動規範

帝通グループに所属するすべての役員・従業員が遵守すべき行動の指針としてグループ行動規範を制定しています。

法令遵守や倫理的な行動がステークホルダーからの信頼を強固なものとすることを一人ひとりが認識し、社会生活や日々の業務においてこれを実践してまいります。

グループ行動規範(410KB)

帝通グループ環境理念

帝通グループは環境保全の重要性を認識し、“Human Oriented Technology”―人と地球にやさしい技術・人間性を指向した技術―の観点から、地球にやさしい製品作りを目指し、お客様にご満足していただける企業活動と環境の保全との調和に努めます。

環境方針

帝通グループは、電子部品に関する開発、設計、生産、販売などすべての事業活動において、以下の環境方針を遵守し行動します。

  1. 環境保全の取り組みを経営の重要な課題と位置づけ、継続的改善および環境汚染の予防に努めます。
  2. 環境関連の法令その他の要求事項等を遵守し、技術的・経済的に可能な範囲で環境保全に取り組みます。
  3. 基本方針に基づき、環境目的および目標を設定し、継続的な改善活動を推進します。
    • その他、環境に負担を与える物質は可能な限り代替転換を図ります。
    • 事業活動に伴う廃棄物の削減と分別・リサイクルに努めます。
    • 省資源、省エネルギーに努めます。
  4. 有害化学物質による環境汚染を防止するため使用禁止物質を明確にし、原材料・部品での源流管理を行います。

環境マネジメントシステム

環境マネジメント活動の概要

遵法―法律、条例、協定等を守る―を何よりも優先し、その上で『製品・サービスの環境改善』『事業所での環境管理活動』および『社会貢献』を主たる環境マネジメント活動と位置づけ、ISO14001を核として推進します。

紛争鉱物基本方針

当社は、製品の製造に使用する原材料に含まれる紛争鉱物3TG(タンタル、錫、タングステン、金)、およびコバルト、マイカ鉱物に対し、コンゴ民主共和国(DRC)やその隣接国などの紛争地域および高リスク地域(CAHRAs)で採掘されるこれらの鉱物が武装勢力への資金供与、強制労働や児童労働による人権侵害等に関与しないためにOECD Annex IIリスクに基づいた適切な評価を実施すると共にお取引様と協力しながら責任あるサプライチェーンの確立に努める事を基本方針とします。

気候変動に対する取り組み(TCFD提言への対応)

当社は、気候変動が事業に及ぼす影響を経営の重要課題の一つとして捉えております。また、企業理念として「豊かな社会の実現への貢献」を掲げており、気候変動が及ぼす影響へ対応することが、企業理念に通じ、かつ社会の一員として果たすべき役割であると考えております。このため、地球環境に対する負荷の最小化、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを展開してまいります。

当社グループでは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、TCFDが求める開示フレームワークに沿って、気候変動問題が当社事業へ与えるリスクや機会について分析し、その結果を経営戦略に反映することで、適切な事業リスクへの対応を行い、また気候変動対応を機に当社事業の成長を促す取り組みを行うことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

1. ガバナンス

当社グループは気候変動に関わる基本方針、重要事項、リスク・機会などを検討・審議する組織として、サステナビリティ担当役員を委員長とするサステナビリティ委員会を設置して、当該委員会に対して取締役会が監督・指示を行います。

2. 戦略

中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を捉え、関連リスクおよび機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、当社はIEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオおよび4℃シナリオ)を参照し、2050年までの長期的な当社への影響を考察し、国内電子部品事業を中心にシナリオ分析を実施しました。

  • 2℃未満シナリオ:気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ(IEA-SDS、IPCC-AR5(第5次評価報告書)-RCP2.6 等)
  • 4℃シナリオ:気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ(IPCC-AR5(第5次評価報告書)-RCP8.5 等)
気候変動リスク・機会
リスク
機会

(大きさ:影響度)

要因 変化 影響度 当社への影響 当社の対策
2℃未満シナリオ(移行) GHG排出規制を
含む各種規制の
強化
炭素税導入による調達コストの増加 2020年度CO2排出量(Scope3カテゴリ1)にもとづき、2030年度炭素税が100%上乗せされた場合のコストは、2020年度比約10%経常利益を押し下げることとなります。
  • 取引先選定要件の見直し
  • 排出量低減に向けた取り組みへの協力要請の実施
炭素税導入による操業コストの増加 2020年度CO2排出量(Scope1・2)にもとづき、2030年度炭素税が100%上乗せされた場合のコストは、経常利益を約3%押し下げることとなります。
  • 本社、生産拠点等への設備投資および再生可能エネルギー導入
内燃機関のみの自動車生産台数減少による自動車電装分野の需要減少 当社主力製品は、EV車でも使用する各種調整用途向けデバイスのため、気候変動による搭載数の増減は考えにくく、影響はほぼなし。
  • 車載向け製品への提案力強化による新規拡販
  • 品質マネジメント規格取得
  • 技術力の強化(新製品開発力の強化)
脱炭素社会への
移行
証書等環境価値購入による操業コストの増加 2030年CO2排出量削減目標を達成するための環境価値購入コストは2020年度比約29百万円増加する可能性。(本試算はScope2のみ)
  • 電気使用量抑制や設備投資等での本社・赤穂工場の再エネ比率100%の達成
  • 他国内事業所の再エネへの切替
再生資源、外部購入リサイクル材料活用による調達コストの増加 外部購入リサイクル材(主に原材料)を利用することで、調達コストは増加する見通し。
  • 廃材の再生利用拡大
  • 材料の一括購入
自社内再生資源、再生材料活用による調達コストの低減 再生材料(主に原材料)を利用することで、調達コストは減少する見通し。
  • 再生材利用対象部品拡大の検討
年平均気温の上昇 省エネ・節電機器や河川氾濫監視システムなど対応製品の普及 新領域(チャレンジ分野:省エネ・節電機器や河川氾濫監視システム等)対象製品の受注は拡大する見通し。
  • 更なる生産性向上による原価低減(既存製品)
  • 中期経営計画で掲げた新技術領域の構築を推進(新製品)
投資家のESG重視姿勢の高まり 気候変動への取り組みと開示の重要性の高まり ESGの対応や開示情報不足のため、取引先からの受注減少リスクや投資家の低評価を受けるリスクの可能性。
  • CDPへの対応
  • サプライチェーン排出量削減目標・実績値を含めHP開示充実
4℃シナリオ(物理) 激甚災害発生頻度の上昇 原材料、副資材調達先被災による操業停止リスクの増加 ハザードマップ上、影響の大きい調達先を選定し、Aqueduct floods RCP8.5により確認した結果、1社の河川氾濫リスクが確認された。機会損失額は、2020年度比約30百万円の推測。
  • 被災可能性のある調達先についてのBCP策定状況の確認(策定済み)
  • 調達先を対象としたBCPの新規策定
  • 対象調達先拡大によるリスク分析
操業停止リスクの増加 ハザードマップ上、影響の大きい事業所(本社)を選定し、Aqueduct floods RCP8.5で確認した結果、河川氾濫と沿岸洪水リスクの無いことが確認された。
  • BCP対策の推進
  • 対象事業所拡大によるリスク分析
年平均気温の上昇 寒冷地向け製品の需要減少 年平均気温の上昇にともない寒冷地向け製品の減少額は2020年度比約75百万円の推測。
  • 販売予測精度や生産性向上による利益率の改善
  • 未参入メーカーなどへの新規拡販

3. リスク管理

当社グループの経営上のリスクを総合的に分析、把握して対策を講じる内部統制委員会と気候関連リスクの分析・対策の立案と推進を図るサステナビリティ委員会が連携し、全社的なリスクマネジメント活動を推進しており、緊急事態が発生した際には危機管理センターを設けて当社グループ全体で対応する体制をとっております。

また、サステナビリティ委員会が中心となり、当社グループ全体の気候変動リスクを分析、把握し、リスクの低減と機会獲得にむけた基本方針を策定し、課題対応の実施状況等をモニタリングする体制としています。

リスク管理体制
リスク管理体制図

4. 指標と目標

  • 気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、Scope1とScope2に該当する温室効果ガス(GHG)のうち、CO2総排出量を指標とします。
  • Scope1とScope2の目標と実績は、「帝国通信工業株式会社および連結対象グループ企業」を対象として開示します。(※Scope3は、「帝国通信工業株式会社」を対象として、2024年(把握次第)に開示する予定です。)
  • 主な削減への取り組みは、従来からの取り組みに加えて、さらなる再生可能エネルギー導入や設備投資等を踏まえて、CO2排出量削減策を検討、順次開示し、脱炭素社会への貢献に向けて取り組んでいきます。
  • 2022年5月に発表した中期経営計画では、Scope2におけるCO2削減を2020年比で2030年は50%減、2050年はカーボンニュートラルとしていましたが、今回のTCFDに関連した弊社の取り組みや国の方針も鑑み、Scope1を加えたScope1・2での目標値を下記の通りといたしました。
2020年
Scope 1・2の排出量(連結)=8,907t-CO2
2030年
約50%削減(2020年比)
2050年
カーボンニュートラル
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